樋口英明講演会&上映会&福島パネルトーク

『原発を止めた裁判長そして原発をとめる農家たち』上映会& 樋口英明 講演会&福島パネルトークは2024年1月に開催され、 好評のうちに終了しました。

13日つくばカピオホールは、220名の参加者を得、14日の水戸市民会館小ホールでは190席が満杯で、大好評でした。

16日東京新聞朝刊は茨城版でほぼ全面を使って記事を掲載してくださいました。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/303094?rct=ibaraki

かつて原発計画、能登地震の震源
「珠洲」凍結 住民に感謝 元裁判長・樋口さん、つくばで講演  

関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め訴訟で、2014年5月に運転を認めない判決を出した元福井地裁裁判長の樋口英明さん(71)が、13日に茨城県つくば市内で講演した。20年前に原発計画が凍結された石川県珠洲市の地震被災に触れ、「原発反対の市民運動のおかげでこうして講演会ができる。当時の人たちに感謝しなければいけない」と語った。(青木孝行)
 元日の能登半島地震では、珠洲市付近を震源とするマグニチュード(M)7・6、最大震度7を観測し、同市内も震度6強の揺れに襲われた。
 珠洲市ではかつて、北陸、中部、関西の三つの電力会社が共同で原子力発電所の建設を計画。候補地の一つだった同市高屋町は、今回の震源地域に隣接する。「珠洲原発」は地元住民の間で建設に対し賛否が分かれ、電力自由化による競争激化などもあり、03年12月、3社は計画の凍結を表明した。
 講演で樋口さんはまた、国による原発再稼働の動きに関し「脱原発運動の一番の敵は、私たちの心の中にある『原発は難しい問題』という先入観です」と語った。原発は人が管理し続けなければならず、管理できなくなった場合、事故の被害は極めて甚大になる。樋口さんはそれを踏まえ、「地震大国」の日本では「原発はやめるしかない」との理解に至ると述べた。
 そのうえで、約200人の聴衆に「『原発をやめる』という政治家に、国民が投票行動をすれば本当にやめられる。皆さんが私の分身となって、原発の危険性を広めてほしい」と呼びかけた。
今回の講演は、樋口さんが主人公の映画「原発をとめた裁判長そして原発をとめる農家たち」(92分)の上映会(上映&講演会実行委員会in茨城主催)に合わせて開かれた。
 講演後には、東京電力福島第1原発事故による自主避難者で福島原発被害東京訴訟原告の鴨下美和さん(53)や、原発事故損害賠償群馬訴訟の原告、丹治杉江(たんじすぎえ)さん(67)らと樋口さんとのパネルトークもあった。

東海第2再稼働 争点の東海村議選
元裁判長・樋口さん「原発を真っ先に考えて」

本紙茨城版の不定期連載「東海第2原発 再考再稼働」の第1回(2019年11月28日掲載)に登場した樋口さんは講演後、取材に応じた。日本原子力発電東海第2原発の再稼働の是非が争点となる見込みの茨城県の東海村議選(16日告示、21日投開票)を前に、有権者に「原発のことを真っ先に考えてください。圧倒的に重要だから」と語った。
東海第2を巡っては、昨年12月に村議会が早期の再稼働を求める請願2件を、賛成多数で採択。今後、村議会や住民の間で議論が活発になると予想される。樋口さんは「地震大国の日本では、いつどこで地震が発生するか分からない。原発との共存共栄はあり得ない」と強調する。
 村は昨年末、再稼働の前提となる広域避難計画を公表した。計画では避難手段は自家用車が原則となっているが、地震や津波と原発事故が同時に起きる複合災害の想定は不十分だ。
 樋口さんは「道路の電柱が1カ所でも倒れたり、マンホールが飛び出してきたりしたら、避難経路は寸断される。広域避難計画はつくれない。能登半島地震の被災状況を見れば明らかだ」と言い切る。
 「農業大国」の県は、農林水産省算出の県内の農業産出額が4409億円(2022年)で全国3位を誇る。「もし原発事故が起こったら放射能で土壌汚染され、農産物を供給できなくなる」と樋口さん。
 「(これらを踏まえると)東海第2原発再稼働はあり得ない。耐震性、老朽化などあらゆる面から危ない」と改めて警告した。(青木孝行)

原発は耐震性が極めて低く、停電しても断水しても壊れます。事故の被害の大きさが
人間の想像を絶する大きいものだということ。これが大飯原発の運転を止めた理由です。
「豊かな国土と、国民が根を下ろして生活していることこそが国富である」という判決文は、
被災者の気持ちを代弁する想いで書きました。樋口英明

樋口元裁判長は原発を止めるため、危険性を伝えるため、全国を行脚し続けています。
 上映会と講演会及び福島被害の報告の連続催事を企画しました。ぜひともご参加ください。

福島原発事故の時汚染のリスクは知らされず、避難区域は狭く限定されました。
未だに多くの人が汚染された土地での生活を強いられています。
やっとのこと避難した人々にも苦難は続き、平和な暮しや家族の笑顔は奪われました。
私たちの話を聴いてください。
原発被害東京訴訟団原告  鴨下美和・鴨下全生

『原発を止めた裁判長 そして原発をとめる農家たち』
上映&講演会実行委員会in茨城
予約・問合せ 山内 絢子  090−1200−1986 ljvuv16754@yahoo.co.jp
       長田 満江  090−7845−6599 osada3220@nifty.com
       小張佐恵子 090−9108−0464  saekoobari@gmail.com
〒ゆうちょ振替口座 00180-2-466753 福島応援プロジェクト

ソーラーシェアリングに取り組む福島の農業者・近藤恵は農地上で太陽光発電するソーラーシェアリングに農業復活の道を見出す。反骨の環境学者・飯田哲也の協力を得て、営農型太陽光発電農場を始動させる農業者たち。

プロフィール
樋口 英明 元福井地裁 裁判長
 1952年生まれ。三重県出身。京都大学法学部卒業。
静岡・宮崎・和歌山・大阪・熊本・名古屋などの地方裁判所の判事を歴任した裁判官。2014年5月21日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決を下した。2017年定年退官。
 著書 2021年『私が原発を止めた理由』、2023年7月『南海トラフ巨大 地震でも原発は大丈夫と言う人々』出版(旬報社)。
近藤恵 二本松営農ソーラー 代表
1979年東京都生まれ。基督教独立学園高等学校、筑波大学
河合弘之 弁護士
1944年満州生まれ。大型事件を手がける一方、全国の原発差止訴訟で貢献。 映画『日本と原発』『日本と再生』などを製作
飯田哲也 環境エネルギー政策研究所 isep代表
1959年山口県生まれ。京都大学大学院卒。 自然エネルギー政策では国内外で第一人者として知られる。

世界中の原発は
地震が起きない所に作られている

日本は世界の陸地面積の0.3%に満たない小さな国ですが、世界中の原発の10%が建っていて、世界の地震の20%が起きる地震大国です。
地球の表面は、十数枚の固い岩板「プレート」が中心部の対流するマントルに乗って互いに動いており、プレート
同士がぶつかる箇所には強い力が働いて地震が起きます(プレートテクトニクス理論)。
4枚のプレートが衝突地殻活動の活発な変動帯に位置する日本列島は原発を建ててはいけない地域だったのです。

 

日本に核ごみ処分の適地はない」
と地質学者ら300人が声明公表
             2023年10月30日
「核廃棄物を10万年にわたって地下に閉じ込められる場所を、日本で選ぶのは不可
能」と、地球科学の専門家が指摘しました。変動帯の日本で原子力政策を進めてきたのは、明らかな間違いでした。
原発を動すと必ず発生する危険な使用済み核燃料は科学的に処理できないことが分かっていて、人間が未来永劫管理し続けなければなりません。
その費用も天文学的金額ですから「原発が安い」というのは大ウソだと分かります。
福島原発事故で「原発が安全」も嘘と知れたので、人類は、原子力から撤退するしか道は無いと知るべきでしょう。

東海第二原発の危険な実態

安全対策防潮堤工事の致命的な施工不良が内部告発によって判明! 10月17日 新聞発表

1.運転開始から46年も経たオンボロ老朽原発
2.地盤が軟弱で海抜が低いため、地震津波に格別弱く液状化リスク大
3.トラブル発生数百件。事故率日本最多の杜撰な管理体制と隠蔽常習体制
4.東日本震災時冷温停止に3日半かかって、事故寸前まで追い込まれた被災物件
5.10万年管理を要する高レベル放射性核廃液を300t貯蔵する再処理工場が近接
6.30km圏に92万人居住の人口密集立地で、避難出来ても国内難民化が必至
 事故になったら500兆円超えの被害で東日本壊滅し、わが国の歴史は終わる
7.運営会社日本原電は、経済基盤が無く借金漬けで、データを改竄する無責任体質

樋口英明講演会&パネルトーク
南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々
10月1日(日) 13:30〜16:00
文京シビックセンター3F会議室 文京区春日1-16-21
87名の参加者を得て 好評のうちに終了しました。

ご参加してくださった皆様ありがとうございました。

避難者の鴨下美和さん・鴨下全生さんのお話も大変心を打たれるものでした。

この日の資料は資料2023ページにアップしてございます。 ご参照下さい。

2023年10月1日 樋口英明講演会&パネルトーク 
東京都文京シビックホール会議室

原発は耐震性が低いのでとてつもなく危ないうえに、事故の被害の大きさが人間の想像を絶する大きいものということ。この2つが大飯原発の運転を止めた理由です。「豊かな国土と国民が根を下ろして生活していることこそが国富である」という判決文は、福島被災者の気持ちを代弁する想いで、私自身が書きました。 原発は国防問題であり、原発を50基も並べてする防災議論は、空理空論でしかありません。

『裁判官が退官後とはいえ、自分が関わった事件について、論評することはほとんどと言ってよいほどありません。論評することが法に触れるわけではありませんが、論評しないことは裁判所の伝統であることは間違いないのです。*1
なぜ、私がその伝統を破ってまで、原発の話をしなければならないと思ったのか。それは、専門家でもない私の目から見ても、原発の危険性があまりにも明らかだったからです。そして、原発の危険性が専門知識のない素人目にも明らかだということくらい恐ろしいことはないのです。
原発や地震学についての詳しい知識は要りません。*2
思い込みを持たずにものごとを素直に捉える目を持った高校生以上の方が、この本を読んでいただければ原発の危険性がどれくらい大きなものかお分かりになると思います。
        「 私が原発を止めた理由」旬報社樋口英明=  はじめに p5より

共催
とめよう!東海第二原発11.18集会プロジェクト
ひまわりメッセージプロジェクト

樋口 英明 プロフィール
1952年生まれ。三重県出身。京都大学法学部卒業。

静岡・宮崎・和歌山・大阪・熊本・名古屋などの地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の判事補・判事を歴任した裁判官。2014年5月21日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決を下した。2017年定年退官。
著書 2021年『私が原発を止めた理由』、2023年7月『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』出版(旬報社)。

2000年以降の主な地震とその強さ
4022ガル 岩手宮城內陸地震(2008年)
2933ガル 東日本大震災(2011年)
2515ガル 中越地震(2004年)
1796ガル 北海道胆振東部地震(2018年)
1740ガル 熊本地震(2016年)
1584ガル 鳥取県西部地震(2000年)
1571ガル 宮城県沖地震(2003年)
1494ガル 鳥取県中部地震(2016年)
1300ガル 栃木県北部地震(2013年)
 806ガル 大阪北部地震(2018年)
 703ガル 伊豆地震(2009年)
※700ガル 大飯原発の東日本大震災当時の耐震基準
※405ガル 大飯原発の建設当時の耐震基準

世界中の原発は地震の起きないところに作られている。
日本は世界の陸地面積の0.3%に満たない小さな国ですが、世界中の原発の10%が建っていて、世界の地震の20 %が起きる地震大国です。
古い原発は耐震基準が甘くて余計に危険です。
地震のメカニズムを解明するプレート理論が認識されたのは近年のこと。
配管の塊である原発は、めっぽう地震に弱いので、日本は原発を建ててはいけない地域でした。
「原発は安全」の宣伝は、まったくの嘘偽りだったのです。
危険な東海第二原発は即廃炉に
1.地盤が軟弱で海抜が低いため、地震に格別弱い。
2.運転開始から44年も経たオンボロ老朽原発。
3.東日本大震災では、3日半もかかって冷温停止した。あわや事故寸前まで追い込まれ 
 た被災事故物件である。
4.トラブル発生が261件。事故率日本最多の杜撰な管理体制。
5.高レベル放射性核廃液300t貯蔵の再処理工場が近接。
6.30km圏に92万人居住の人口密集立地で被ばく無しの避難は不可能。事故になった 
 ら首都圏壊滅 で、わが国の歴史は終わる。核災害避難は国内難民への片道切符だ。
7.東海原発を運営する日本原電は、経済基盤が無くて借金漬けの上、データを改竄する
 無責任でデタラメな会社。

「南海トラフ巨大地震でも
原発は大丈夫と言う人々』
旬報社
樋口英明=
定価1430(税込)

週刊金曜日   2023.9.15(1440号)  書評
「国富」の重みを現役裁判官に問う
粟野仁雄 あわの まさお/ジャーナリスト 

裁判官時代、関西電力飯原発の運転を差し止めた著者は四国電力伊方原発3号機の運転差し止め訴訟に注目する。今年3月、広島高裁は住民の訴えを却下し、「南海トラフ地震が伊方原発を直撃しても181ガル(震度弱程度)しか来ない」とする四国電力を勝訴させた。

 フクシマ後、原子力規制委員会の田中俊一。初代委員長は「基準に適合したからと言って安全とは申し上げません」と喝破した。「委員会は原発事故から国民を守るために規制基準を作ったのではないことを明らかにした。守るのは裁判所しかない」と著者。

だが四国電力に対し広島高裁は、審査に合格したことを立証すれば足りるとした。「住民が規制委員会はおかしいのでは、としていることに耳を貸さないことは許されない」。

さらに「原発はいくつかある発電手段の一つに過ぎない。そのためにあなたの命と生活を賭けるのですか」と問う。

著者は「自然界からの警告に真摯に耳を傾けて先人から受け継いできた真の国富を次の世代に引き継ぐことが私たちの役目」とする。

5月に震6強の地震が襲った石川県珠洲市では反対運動で原発建設が凍結され破局を免れた可能性を挙げ、「珠洲市の地震は自然界からの最後の警告かもしれない」。
差し止め判決でも触れた言葉「国富」の重みを現役裁判官に問う。