丹治杉江お話会

丹治杉江さんから聴こう

被災者が伝えたいー終わるはずない放射能公害

10月28日()14:0016:00

たんぽぽ舎  参加費800

 

福島だけの問題ではない。原発は差別と分断で人々を大きく傷つけた。群馬県に避難した住民が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の原告団長として尽力してきたが、現在は原発事故の教訓を伝える楢葉町「伝言館」事務局長として被害の実態を訴える活動に取り組んでいる。また、ALPS処理汚染水差止訴訟原告団事務局も引き受け、日々奮闘している。

 丹治杉江<たんじ・すぎえ>1956年、群馬県伊勢崎市生まれ。東京電力福島第一原発事故を受けて20117月、当時住んでいた福島県いわき市から前橋市へ夫の幹夫さん(66)と避難。事故で福島から群馬に避難した住民たちが、国と東電に損害賠償を求めた裁判の原告代表を務める。

一審前橋地裁は173月、国と東電の責任を認め、原告62人について計3855万円の支払いを命じた。原告のうち約半数は、賠償額が被害を十分に反映していないとして控訴し、国と東電も控訴。

東京電力福島第1原発で8月に始まった処理水海洋放出の差し止めを求めて、福島、宮城県などの住民ら約151人が8日、国と東電を福島地裁に提訴しました。
  ALPS 処理汚染水差止訴訟弁護団
  共同代表 弁護士広田次男 弁護士河合弘之 弁護士海渡雄一
福島とその周辺の住民(東北から東京までの関東在住者)で決断を支え、応援する動きを作りたいと思います。原告になってくださる方(裁判印紙費用13,500円をご負担いただきます。)を募集中。支援の会もこれから作る予定。
原告になりたい方は、10月20日までに下記まで、お名前、住所、電話番号、メールアドレスを明記してお知らせください。必要書類を送付します。

原告の氏名は、裁判上匿名にすることも可能。メールが使えない方はお電話ください。
  ALPS処理汚染水差訴訟原告団事務局担当丹治杉江
  〒970-8045 福島県いわき市郷ケ丘4丁目 13-5
  電话番号090-7797-4673F A X0246-68-6930 メールアドレス ran1953@sea.plala.or.jp

とめよう!東海第二原発首都圏連絡 https://stoptokai2-shutoken.jimdofree.com
〒101-0061 千代田区神田三崎町3-1-1 高橋セーフビル1F たんぽぼ舎気付
電話:070-6650-5549:03-3238-9035:(志田)090-9309-6722
FAX:03-3238-0797  E-mail :stoptokai2.shutoken@gmail.com
カンパをお願いします。ゆうちょ銀行:11330-18157531:クボキヨタカ

 

ALPS処理汚染水差止訴訟 提訴行動(完全版)事前集会・デモ行進・記者会見&報告会

 

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原発主催:とめよう!東海第二原発首都圏連絡会 https://stoptokai2-shutoken.jimdofree.com
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ゆうちょ銀行:11330-18157531:クボキヨタカ

 

 

伊方原発運転差止等請求事件本案訴訟 第30回口頭弁論期日

(東京都在住福島原発事故被害者)鴨下美和さんによる意見陳述要旨

四電がこの意見陳述を『被告に不意打ちを与え』るものである、との上申書を出してきたため
法廷で陳述することができなくなった
『幻の意見陳述書』です!
鴨下さんの許可を得て公開させていただきます。

鴨下美和原告意見陳述要旨2022   PDFです。

意見陳述要旨

伊方原発運転差止等請求事件本案訴訟
2022年12月14日第30回口頭弁論期日

        第3次原告 鴨下 美和 (東京都在住 福島原発事故被害者)

本日は意見陳述の貴重な機会を与えていただき御礼を申し上げます。私は原告の鴨下美和と申します。現在東京に住んでいます。

先月、私は、ふるさとの福島県いわき市の共同墓地にいました。墓地の中央には、大きな、白い石の十字架。やっと、訪れることができた懐かしい風景に、自然と涙が溢れました。しかしその足元の土には、今でも数千Bq/kg 注1の放射性物質が含まれているのです。

11年前の原発事故当時は、その数十倍から数百倍の汚染があったにも関わらず、私たちの住んでいた福島県いわき市注2には、一度も避難指示が出されませんでした。私は、放射線被曝を逃れるために子どもたちを連れて避難した、いわゆる自主避難者です。家があった場所は、爆発した原発から南に40km。事故当時、長男は8歳、次男は3歳。彼らを放射線被曝から守るためには、無理をしてでも、避難するしかなかったのです。

放射性物質を扱う施設で実験を行う
私と夫は、大学の研究室で出会いました。そこでは遺伝子を扱う実験のために、放射性物質を使用することもありました。その際は、研究棟とは別棟の放射線管理区域注3に指定された建物の中で、細心の注意を払って実験を行いました。今でいうガラスバッジ注4を付け、自分が被曝しないための操作はもちろん、間違っても管理区域の外へ放射性物質を持ち出さないために、厳しく管理された中で実験を行っていました。

あの事故が起きるまで、研究室はもちろん、病院や、原発の敷地内であっても、放射性物質はそのように厳密に管理されてきました。( 現在でも、この原則は、全国の放射性物質を扱う施設では厳密に守られている。もちろん飲食厳禁である。) だから私たち夫婦にとって、自分の家や、子どもたちが遊ぶ場所に、大量の放射性物質が降り注いだこと、そしてそれが全く管理されないまま、風雨で移動し、子どもたちが吸い込んだり、素手で触れられるようになってしまったことは、心が壊れる程の恐怖でした。

過酷な避難生活
避難生活は困難を極めました。始めは私の実家のある横浜へ。次は夫の親が暮らす東京へ。親族とは言え、そう長く居候もできませんから、その後はアパートやホテルを転々とし、4月の末にやっと避難所に入り、夏には古い官舎の避難住宅へ。賠償金の出ない私たちには、避難の継続のためのお金が必要なので、夫は4月には福島へ戻って業務を再開しました。週末には、車で250km の道のりを飛ばして、私たちに会いに来てくれましたが、日曜の夜、別れのたびに、4歳の次男が布団にもぐって、声を殺して泣くので、胸がつぶれる想いでした。
当時、夫が電話越しに、シンチレーションディテクター注5の音を聞かせてくれたことがあります。チチチチという検出音が、やがてチ―――という鳴りっぱなしの甲高い音に変わります。生活空間にあってはならないものがそこにある。その危険を知る夫にとって、そこで働くことがどれだけのストレスであったか、想像に余りあります。

誤解と無理解に起因するバッシング
放射能は目に見えません。仮に測定機器があっても、知識と事故前の数値を知らなければ、その危険性はわかりません。国の避難指示が無かったこともあり、いわきは汚染などしていない、全く問題がない、と信じている周囲の人たちの中で、除染や被曝防護を訴え続けた、唯一その危険を知る夫は、罵声を浴び、差別を受け、次第に孤立し、頭のおかしい人と、思われるようになっていきました。更に、身近な若者の突然死が二度続き、それに関わってしまったこともあって、夫は心身共に壊れていきました。会うたびに髪が減り、皮膚が年寄りのようになり、やがてろれつがまわらなくなりました。見るに見かねた私は、夫に仕事を辞めて一緒に暮らすことを提案し、事故から2年後に、夫も避難者となりました。

否定しがたい放射線被曝被害
避難所や避難住宅では、うちの子に限らず、鼻血を出す子が多くいました。それも、見たことのない程、酷い鼻血です。吹くような、吐くような勢いで、鼻血が両鼻から出たり、それが喉をまわって口からも出る。綿やティッシュでは追い付かず、洗面器やレジ袋で、流れ出る血を受ける子どもたち。それが30分経っても治まらない。深夜に、若い母親から、どうやったら娘の鼻血を止められるのかと相談を受けたこともあります。結局、息子は手術で鼻血を止めました。テレビでは環境大臣までが、原発事故と鼻血の関係を否定しましたが、科学は現実に起きていたことを否定できるものではありません。

実際に、岡山大・熊本学園大・広島大らのプロジェクトチームによる疫学的調査でも、当時の鼻血には有意差があることが認められています。中通りで暮らす友人からは、息子の学校には紫斑病の子が多く、入院してしまった子もいる、という話も聞きました。小児甲状腺がんを患った子どもたちが原告となった裁判注6も起きています。政府に選ばれた学者たちが、事故との因果関係を否定したとしても、現実に小児甲状腺がんに罹患している子どもたちが、福島県内だけで300人を超えていることは、動かしようのない事実です。

放射線被曝に安全量はない
安全な放射線被曝などありません。電離放射線注7の人体への影響は、確率的です。少しの追加被曝なら大丈夫なのではなく、低い確率ではあっても、確実に放射線被曝被害は起きている。でも、そのような被害が起こりうることを、政府は完全に無視してきました。

殆どの人は、11年前の原発事故によって、今も東日本の広い範囲が、100Bq/kg 注8以上の汚染土壌となってしまっていることを知りません。事故前であれば、黄色いドラム缶に入れて、厳重に管理しなければならないレベルの汚染が、今も東北と関東に広がっているのに、その危険をきちんと伝えず、被曝させ放題。こんな無責任極まりないこの国に、原発を動かす資格などあるでしょうか。

今、私たちは、低線量被曝注9によって病気を発症しても、原因は不明のまま。おそらくは生活習慣のせいと片付けられます。そんな『運の悪い人』が、静かにじわじわと増えている。セシウム137の半減期注1 0は30年。今ここにいる全ての人が亡くなったあとも、福島原発からばらまかれた放射能は、静かに生命を蝕み続けるのです。

蹂躙される基本的人権
そんな福島の放射能汚染が、全く元通りにならないままなのに、政府の勝手な判断によって、避難住宅の提供も打ち切られました。私たちは署名を集め、内閣府や各省庁と話し合いをし、無用な被曝を避ける権利を求めて訴え続けましたが、官僚たちは壊れたレコードのように、全く答えにならない文言を繰り返すばかりでした。国が聞こうとしないのなら、と、国連や、ローマ教皇にも直接訴え注1 1ました。しかしこの国は、国連の勧告注1 2にも正面から向き合わず、ローマ教皇の説教注1 3も聞き流してしまいました。そして6月の最高裁判決注1 4では、国にはこの事故に対して責任はないという、無責任極まりない判決が出されました。正義は、私たちの人権は、一体どこにあるのでしょう。

『原発事故の避難者は、十分な賠償金をもらって、新しい家に住んで贅沢な暮らしをしている』というような、事実とは全く異なる風評によって、私たちは、いじめや差別に遭いました。息子は当時受けた過酷ないじめによって、今も心を病んでいます。仮に多額の賠償金がもらえていたとしても、それで奪われた人生を取り戻せるものでも無いのに、ただひとこと、『辛い』と言葉をもらす自由さえも奪われるのです。原発によって歪められたお金は、人に幸せをもたらすことはありません。

被害者の声は未来への警告
私たち被害者は、その属性を知られるだけで、差別に晒されます。被害を訴えれば、復興を妨げる風評加害者だと攻撃されます。ましてや顔と名前を出して訴訟など起こせば、隣人や親せき、時には家族からも攻撃され、それまでの生活を失います。それでも、被害者が声を上げるのは、あまりの不正義と理不尽があるから。そして同じ苦しみを持つ人がたくさんいるからです。

黒い雨を浴びた方々や、小児甲状腺がんに罹患した子どもたちが裁判を起こしたのも、同じ苦しみにある人たちがいたから。私たち被害者の声は、未来への警告です。

この陳述の冒頭に述べた共同墓地には、まだ墓石の無い草地があります。そこが、いつか私が眠る場所です。死んだら福島に帰れる。そう決めた日から、少しだけ心が楽になりました。帰りたい、という言葉をずっと封印してきた11年。生まれた場所ではないけれど、夫と結婚し、初めて家を建て、子どもたちが生まれ、たくさんの幸せを育んできた福島が、今でも私のふるさとです。

願わくは、私たちのような思いをする人が、二度と出ないように。

これ以上、原発によって国土が汚染され、人々の暮らしが歪められないように。
祈りを込めて、私は、伊方原発の再稼働に反対します。ご清聴ありがとうございました。

注1「数千Bq/kg」:Bq はベクレル。放射能の強さを表す単位。1 秒間に崩壊する原子核の数で表される。
注2「福島県いわき市」:いわき市と東京電力福島第一原発などとの位置関係は次のマップを参照のこと。
注3「放射線管理区域」:放射線による不必要な被曝を防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区域し人の不必要な立ち入りを防止するために設けられる区域である。管理区域は、放射性同位元素等の規制に関する法律、同法施行規則、医療法及び同施行規則、労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則、人事院規則などの法令で厳密に定められている。
注4「ガラスバッジ」:体幹部測定用線量計のこと。X線用やガンマ線用、広範囲用など様々なタイプがある。男性は胸部に女性は腹部に着装するのが基本。放射線管理区域や原発内などで働く放射線業務従事者には個人被曝線量管理などの目的で、各種法令で着装が義務付けられている。
注5「シンチレーションディテクター」: シンチレーション検出器ともいう。電離放射線の入射により蛍光や燐光を発生する物質をシンチレータというが、シンチレータは放射線を受けても微弱な光しか発しない。それを光電子増倍管などで増幅し大きな電気パルスにすることで放射線を検出することができるようになる。このようにシンチレータの放射線に対する発光性質を利用した放射線検出機器をシンチレーション検出器(scintillation detector)と呼ぶ。検出したい放射線などによってさまざまな種類がある。コストの割には検出効率がいいので広く利用されている。この時、ご夫君の祐也氏が使用したディテクターはガンマ線検出用。

注6「小児甲状腺がんを患った子どもたちが原告となった裁判」:「311子ども甲状腺がん裁判」のこと。2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原発事故による放射性物質大量放出・拡散によって大量の被曝をし、その後重篤な甲状腺がんを発症したとして、被害者7名が東京電力ホールディングスを被告に損害賠償を求めて、2022年1月27日東京地裁に提訴した。現在東京地裁で係争中。
注7「電離放射線」:放射線には電離放射線と非電離放射線がある。うち電離放射線は電離エネルギーをもつが、非電離放射線には同エネルギーはない。べつな言い方でいうと電離放射線には放射能があるが、非電離放射線には放射能はない。福島原発事故後、この2つを意図的に混同させるような言説が見られる。
注8「100Bq/kg」:IAEA(国際原子力機関)によれば、1kgあたりセシウム137を100Bq以上含む物質を放射性廃棄物とする。陳述者は、東日本の広い地域が、放射性廃棄物と同等の放射能汚染に覆われているという指摘をしている。
注9「低線量被曝」:世界各国の核規制当局に放射線防護に関する勧告を行っている国際放射線防護委員会(ICRP)は、その勧告の中で、概ね100mSv以下の被曝を「低線量被曝」と呼んでいる。陳述者もこの言い方にならったもの。一般に「低線量被曝は安全」という誤解が流布しているが、ICRPを含め、電離放射線被曝に安全量はなく、どんなに少量の被曝でもリスクはある、という点で専門家の意見は一致している。また局所的被曝(ホットスポット的被曝)を特徴とする内部被曝では、体内線源近傍では超高線量被曝を周辺細胞は被る。
注10「半減期」:放射線核種の物理的半減期のこと。放射性物質は核崩壊をしながら、環境に電離エネルギーを放出して減衰していくが、もともと持っていた電離エネルギーが半分に減衰する期間を物理的半減期という。半減期は核種によって大きく異なるが、たとえばヨウ素131の半減期は約8日間であり、セシウム137の半減期は、約30.2年である。30年たってもその毒性は半分にしかならず、セシウム137が人体に無害になるまでその毒性を減ずるには数百年単位の時間が必要であることを陳述者は述べている。
注11「ローマ教皇にも直接訴え」:陳述者の長男、鴨下全生(まつき)は2018年、16歳の時に原発事故被害の理不尽と自身の苦悩を訴える手紙を、ローマ教皇フランシスコに送った。その手紙は奇跡的に教皇の目に触れ、翌2019年3月に、陳述者ら家族はバチカンに招かれ教皇に謁見。直接被害を訴えた。全生氏が送った手紙は、樋口健二著「フクシマ原発棄民 歴史の証人」(八月書館)に全文が掲載されている。また同年11月、来日したローマ教皇に東京で再会し、改めて原発のもたらした被害を訴えた。(https://www.cbcj.catholic.jp/2019/11/25/19841/)そのスピーチの後、教皇は全生氏に歩み寄り、『またお会いできましたね』と彼を抱擁した。(次写真参照のこと。なお写真はバチカン・メディア提供)

注12「国連の勧告」:国連人権理事会勧告のこと。2013年5月、特別報告者アナンド・グローバー氏は、国連人権理事会に対し、福島原発事故後の人権状況に関する事実調査報告書を提出、緊急対応、避難指示、健康調査等、日本政府の対応を健康の権利の観点から包括的に検証し、今後の改善に向けた重要で明確な勧告を提起、年間1mSvを基準に、最も影響を受けやすい人に配慮し、健康被害を防止するための最大限の施策を求める抜本的な政策転換を求める勧告をおこなった。また2017年、国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)作業部会で、複数の国連加盟国が日本政府に、区域外避難者を含む被害者への住宅面、経済面、健康面等の支援の継続、許容放射線量を年間1 ミリシーベルトに戻すこと、帰還に関する意思決定プロセスへの住民参加の促進等を勧告、特に女性や子どもの権利の尊重の必要性が強調された。
注13「ローマ教皇の説教」:2019年11月25日、来日したローマ教皇フランシスコは、首相官邸にて行われた『要人および外交団との集い』(https://www.cbcj.catholic.jp/2019/11/26/19849/)において、当時首相であった安倍晋三氏に対し『(私が)強く胸打たれたのは、(東日本大震災で地震・津波・原発事故の)三重の災害に遭われたかたがたのお話をうかがったときでした。被災者の皆様が経験されておられる困難な状況に心を揺さぶられました。』と語り、更に『若者たちは、地球を搾取のための所有物としてではなく、次の世代に手渡すべき貴重な遺産として見るよう、わたしたちに迫るのです。わたしたちは彼らに対し、むなしいことばでではなく、誠実にこたえなければなりません。まやかしではなく、事実によって、こたえるのです』と、強い言葉で迫った。しかし安倍晋三元首相は、この教皇の言葉に対して、何の返答もしていない。
注14「6月の最高裁判決」:東京電力福島第一原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償を求めた福島(生業=なりわい)、群馬、千葉、愛媛の4件の集団訴訟に関する6月17日の上告審判決のこと。最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は、規制権限を使わずに東電に津波の対策を指示しなかった国の対応は違法ではないとし、国の法的責任を認めなかった。ただし三浦守裁判官は国の法的責任を認める少数意見を出した。